裏切りの恋
「お店はどう?忙しいの?」
「それなりですかねー。あ、でも今回の新作、かなり可愛いんですよ!」
「そうなんだ」
「今度また店に来てください」
「……うん」
そんな他愛のない話。
正直、もうあのお店には顔を出したくなかった。
前までは、お店のことも気になったし、裕翔にも会いたい気持ちから、ちょこちょこ遊びに行ってた。
だけど今は、とてもじゃないけど、裕翔には会えない。
「そうそう!聞いてくださいよ!」
お腹がある程度満たされ、お酒が3杯目に突入した時、エミちゃんは思い出したかのように声をあげた。
「城崎さん!彼女と別れたみたいですよ!!」
それは、あたしが今、一番避けたい人の話だった。