裏切りの恋

「お店はどう?忙しいの?」
「それなりですかねー。あ、でも今回の新作、かなり可愛いんですよ!」
「そうなんだ」
「今度また店に来てください」
「……うん」


そんな他愛のない話。

正直、もうあのお店には顔を出したくなかった。

前までは、お店のことも気になったし、裕翔にも会いたい気持ちから、ちょこちょこ遊びに行ってた。
だけど今は、とてもじゃないけど、裕翔には会えない。


「そうそう!聞いてくださいよ!」


お腹がある程度満たされ、お酒が3杯目に突入した時、エミちゃんは思い出したかのように声をあげた。


「城崎さん!彼女と別れたみたいですよ!!」


それは、あたしが今、一番避けたい人の話だった。
 
< 237 / 357 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop