裏切りの恋
結局、明はあのあと、会社から電話があって急遽仕事に。
すぐに終わると言っていたけど、数時間はかかるだろうと思い、あたしは一人時間を持て余す。
そしてあたしが選んだ時間つぶしは
明と…裕翔と香織さんと……四人で来たことのある水族館だった。
「人多いな……」
土曜日ということもあり、水族館はやっぱり混んでいた。
周りはカップルや家族連ればかり。
一人で回っているような人なんて、ほとんどいなかった。
あたしは人気のラッコや熱帯魚の場所を素通りし、目当ての場所へ行く。
そこは暗闇が広がる、深海魚のコーナーだった。
「………綺麗…」
暗いせいか、子供がいなく、他の場所より空いている。
あたしは一つの水槽を見つけると、その前に立ち尽くした。