裏切りの恋
19章 逆らえない
「どう…して……」
あたしには触れず、後ろに立ち尽くす裕翔。
それだけで、涙が溢れ出てきた。
なんで泣いているのか分からない。
会いたかったから?
会いたくなかったから?
触れてほしいのに…
触れてくれないから……?
ただどうして、彼がこの場所にいるの……。
「どうして、はこっちの台詞だ……。
なんでここにいるんだよ……」
そう思っていたのは裕翔も同じ。
まさかこの場所で
再び会えるとは思っていなかった。