裏切りの恋
「じゃあ、行ってらっしゃい」
「ああ。家まで送ってやれなくて悪いな」
「ううん。大丈夫だよ」
裕翔の家の最寄駅。
あたしはそこまで車で送ってもらうと、バイバイと手を振った。
そして走り出す車。
見えなくなった瞬間、急にさみしくなった。
あたしってば、相当、裕翔依存症になってるかも……。
なんて苦笑した。
改札へ向かって、通ろうとしたとき……
「夕菜ちゃん」
後ろから誰かに声をかけられた。
気になって振り返ると……
「久しぶり」
「……か…おりさん……」
そこにいたのは、
裕翔の元カノ……香織さんだった……。