裏切りの恋
そんなふうに裕翔が思ってくれていることが嬉しかった。
どちらかというと、裕翔は記念日やイベントなどはめんどくさがる性格。
あたしも比較的、そういったことにはこだわらないし、家でまったりすることが一番好きだけど、ここはやっぱり女子。
たまにはそういったお店にも行きたいのだ。
《じゃあ、明日9時くらいになっちまうけど……
店と駅の間にある歩道橋分かるか?その西側の降りたとこで》
「大丈夫。分かるよ」
さすがにバイトで3年以上通っていたところ。
分からないはずがない。
「お店まで迎えに行ってあげてもいいんだけどなー」
《それは勘弁……》
「ふふっ、分かってるよ。
あたしもめんどくさいことになるから嫌」
裕翔は、「分かってるなら言うな」と呆れた返事をする。
そのあとも、ちょっとした世間話をして電話を切った。
通話時間、7分。
本当に用件と、プラスアルファって感じ。
昔の自分なら考えられないけど
これが本当の自分のような気がしてならなかった。
会えた時に爆発するのが一番いい。