裏切りの恋
「やっぱ週末は人多いなー」
今日は華金。
ここぞとばかりにはしゃごうとする大人がいっぱい。
あたしはぶつからないように人を避け、待ち合わせ場所に向かった。
「うーん…やっぱり人が多い」
歩道橋の下のせいか、歩道橋を利用する人の邪魔になってしまい、あたしはどんどん脇へ逸れて行った。
だけどそれだと、裕翔に見つけてもらえそうもなくて……
「そうだ」
あたしは一つのことを思い浮かんで、歩道橋を上がった。
「ここならよく見えるな」
歩道橋の上から、下を見下ろす。
ここからなら遠く先まで見えて、あたしのほうが裕翔を見つけられそう。
お店は向こう側だから、裕翔は絶対にこっちからかな。
そう思い、あたしは裕翔が来るのを待っていた。