裏切りの恋
「明っ……会いたかったっ……」
ようやく会えた最愛の人。
あたしは明の胸に抱きついた。
「……ゆうな…?」
だけど明は抱きしめ返してくれなくて、ただあたしの行動に戸惑ってる。
「夕菜、一度離れなさい。
明くんは何も知らないんだから」
「……」
お父さんに言われて、あたしは明から離れた。
見上げた明の瞳は、完全な戸惑いの目。
その目を見て、あたしたちは本当に今、付き合っていないんだな、と分かった。