裏切りの恋

その言葉を聞いて、ポロポロと涙が零れ落ちた。


否定してほしかった。
「違うよ」って言ってほしかった。

だけど確かな言葉で聞こえた、肯定する返事。


明は困った顔をすると、


「泣くなよ」


と、あたしの涙を指で拭った。


「だ……って……」


どうしても信じられなかった。

今のあたしは、明のことが大好きで…
もうすぐ結婚するんだ、ってワクワクしてて……。

それなのに、現実は別れた二人……。


明はあたしから指を離すと……



「でも、別れを切り出したのは、夕菜のほうだよ」



とても悲しそうな顔をして言った。
 
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