裏切りの恋
 
「ちゃんと付き合ったのは1週間前。
 だけど……」


そう言って、城崎さんはあたしを見つめた。

その瞬間、心臓がドクンと高鳴った。


目を逸らしたいのに逸らせない。
見つめているだけで、体が熱くなる。


この感じは……何……?


「……」


城崎さんが手を伸ばす。

その手は、あたしの頬に触れた。


「…っ」


ビクッと体が震えた。

嫌悪や恐怖からではない。
彼が触れたところが、あまりにも熱くなって体がおかしくなってしまいそう。


気が付くと、城崎さんの顔が目の前にあって
鼻と鼻がぶつかってしまいそうなほどの距離だった。
 
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