裏切りの恋
24章 無意識な心
このまま
全てが溶けてなくなってしまえばいいと思った。
この人に
全て身をゆだねてしまいたいと思った。
だけど……
ドンッ…と、あたしは再び彼の体を押した。
「あ…の……」
彼は何も言わない。
ただあたしの顔を見てる。
駄目…
これ以上彼の目を見てちゃいけない……。
「ご…めんなさい……」
あたしはぺこりとお辞儀をして、今度こそ彼のもとから離れた。
今度は彼は追ってこなかった。