裏切りの恋
 
「んっ……ふ…」


口づけられる唇。

何度も何度も交わしたキス。


あたしが一番安心するもの。


キスを交わしながら、ベッドになだれこんで
上にまたがった明が、あたしを見下ろす。



「夕菜……」


愛しさの溢れた瞳であたしの名を呼ぶ。

そしてあたしの頬に手を添えて、もう一度口づけを交わした。


大好きな声。
大好きな温もり。


だけど……


何も湧き上がらない……。
 
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