裏切りの恋

思い出したくないのに、思い出されてしまう。


病院で
一度城崎さんにキスされたことを。


名前を呼ばれるだけで、体の芯からギュッとされるようで
頬に手を重ねられただけで、全身が熱くなって
口づけられただけで、体ごと犯されているみたいだった。


目の前にいるのは明。

あたしが好きなのも明。


だけど……


体が…

心が……

本能が……


彼を求めてる。



「あ…きらっ……やっぱあたし……」

「やめないよ」

「やっ……」


明の体を押しのけようとしたけど、明は再びあたしに口づけた。
 
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