裏切りの恋

「待って……」

「待てない。
 それに言っただろ?俺を好きだと言っても、また同じこと繰り返されるから……って。
 勘弁な、って言ったのに、それでも俺を好きと言ったのは夕菜だよ」

「ぁ……」


確かにそうだ。

明はあたしに忠告した。
それでもあたしは、半年の気持ちから逃げたんだ。


彼への想いを受け入れるのが怖くて……。


「夕菜。好きだよ。
 今でも……」

「明……」


明の瞳は優しくて、涙が溢れそうだった。


きっと今、この手を取ればあたしは幸せになれる。
失くした半年の記憶だって、一生戻らなくても幸せを掴める。


だけど……



「だ…めっ……ひろとぉっ!!」

「夕菜っ!!」



突然開けられたドア。

そこにいたのは……



「はぁっ……はぁっ……」



ずっと本当は求めていた、彼だった。
 
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