裏切りの恋
「あたし、最低だよね……。最愛の人を裏切ってる……」
「それを言うなら、俺も同じだ」
ベッドの上に横たわる二人。
一度家の前まで帰ったはずのあたしは、明じゃない別の男の家にいた。
あたしたちは、何をしているんだろう…。
それぞれ別に好きな人がいて、それでもこんな関係になって…。
裕翔に対する感情は、今まで感じたことのない想い。
頭ではなくて、
心が…体が……
彼を欲している。
こんなことは初めてだった。
「裕翔の彼女さんは、どんな感じの人なの……?」
なんとなく、あたしは気になって聞いてみた。
「べつに普通。
……ただ、俺は女はあいつしか知らない」
「え!?」
意外なその言葉に、あたしは驚きの声を上げた。