裏切りの恋
「おつかれさまでしたー!」
あたしは帰りの支度をすると、そそくさと店を出た。
もう店の前には、明が待っているはず。
「明!」
「お疲れ」
やっぱり、仕事帰りの明がそこにいた。
「明もお疲れ様」
「おう」
自然と腕を絡ませて、笑顔で話す自分。
だけどずっと頭の片隅に、明への罪悪感が残ってる。
「ご飯どこで食べる?いつものとこ?」
「あー、えっと今日はもう予約取ってあるんだわ」
「え?」
明にしては珍しい。
そう思いながら、あたしは明に連れられて、行き慣れていないお店へと向かった。