裏切りの恋
お店は、いたって普通の飲み屋だった。
予約した、っていうから、もしかしてちょっとした高級店?なんて期待した自分がバカみたい。
だからこそ、あたしはどうして今日にかぎって、明が店を予約したのか分からなかった。
「へー。良さそうな店だな」
「そうだね」
と、連れてきた明もお店の感想を言っている。
「どうして今日は予約したの?」
「ふふふ~。実はな」
少しもったいぶって話す明。
あたしはそのまま、首をかしげて聞いていた。
「もう一人来るんだ」
「悪い。遅くなった」
明の答えと、それにかぶせて誰かが声をかけてきた。