裏切りの恋
「まあ、そんな固くなるなって!
仕事上、アルバイトと役職ってなってるけど、今はそれなくしてダチみたいな関係でさ!
いいよな?ヒロ、夕菜」
「ああ」
「うん…」
痛い…。
明の笑顔が痛い…。
一人何も知らないで、
あたしたちに無邪気な笑顔を見せる。
自分たちが一体何をしているのかを思い知らされているみたいだ。
この日、あたしは精いっぱいの仮面をかぶった。
ゆがんだ顔にならないよう笑顔をふるまった。
どうか気づかないで。
あたしはあなたの笑顔を奪いたくないから……。