裏切りの恋
 
「それじゃあ、今週もお疲れ様!」
「おつかれさまー!」


そしてカツンと乾杯をして、いっきに飲み干す。

この瞬間、仕事の疲れが一気に吹き飛ぶ気がした。


「なんだか今週は、夕菜ずっとせっぱ詰ってたみたいだからな。
 卒論のほうは大丈夫か?」
「あ、うんっ。なんとか考えがまとまったから大丈夫だよ」


あたしは明に笑みを向けた。
そんなあたしに、明も納得して微笑み返す。


うん。
あたしはやっぱり、明のこの笑顔が好き。



確かに、裕翔のことを好きになってしまった。

だけどそれは決して、明のことが嫌いになったというわけじゃない。


明のことは好きなまま。


だからきっと忘れられるよ。
これは一時の気の迷いだって…。
 
< 81 / 357 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop