裏切りの恋
「それじゃあ、今週もお疲れ様!」
「おつかれさまー!」
そしてカツンと乾杯をして、いっきに飲み干す。
この瞬間、仕事の疲れが一気に吹き飛ぶ気がした。
「なんだか今週は、夕菜ずっとせっぱ詰ってたみたいだからな。
卒論のほうは大丈夫か?」
「あ、うんっ。なんとか考えがまとまったから大丈夫だよ」
あたしは明に笑みを向けた。
そんなあたしに、明も納得して微笑み返す。
うん。
あたしはやっぱり、明のこの笑顔が好き。
確かに、裕翔のことを好きになってしまった。
だけどそれは決して、明のことが嫌いになったというわけじゃない。
明のことは好きなまま。
だからきっと忘れられるよ。
これは一時の気の迷いだって…。