紅炎と雷炎 ①
Ⅲ
晃「よっと」
あたしが連れてこられた場所は暴走族がよく溜まり場で使う、倉庫。
この雰囲気…懐かしいなぁ。
陣「おい」
あたしが倉庫を見渡していたら、陣に話かけられた。
美樹「何?」
陣「お前、何で俺らが族に入ってるって気づいたんだ?」
また、この話するのか…。
くどいな。
美樹「だから、さっきも言ったようになんか、オーラ?が出てたの! 迫力が教室にいた男と全然違ったから! 分かった?」
陣「どこで気づいた!」
美樹「陣が屋上に入ってきたときから」
そういうと、陣が唐突に、
陣「おい! お前、ここに入れ」
と、言い出した。
美樹「……は?」
陣「だから、お前。 雷炎に入れ」
美樹「無理」
陣「なぜだ」
美樹「無理なものは無理」
だって、あたし紅炎の元総長だし…。
美樹「あたしは、族とかに入っちゃダメなの1 一緒にいるのならいいけど、ここに入るのは無理」
陣「…じゃあ、明日から学校終わったら、ここに来い!」
美樹「…いやいや、陣。 みんなの意見も聞いてあげようよ。 あたしのこと、よく思ってない人絶対いるじゃん。 特に、あそこにいる、千尋とかさ。 とてつもなくあたしのこと睨んでるじゃん!!」
大きい目があたしのこと睨んでるよ。
可愛いのに、あんなことしたら女が寄ってこれないよ…。
それとも、女嫌いなのかな?
てか、女のあたしより可愛いし…。
まあ、あたしが不細工なだけ、だけどね…。