紅炎と雷炎 ①


陣「おい」


陣の声が響く。


やっぱ、総長なんだな…。


一声でみんなを黙らせる光景、久々に見たよ。


陣「今日からこいつは、ここを出入りする」


そう言い、あたしを前に出した。


陽「美樹ちゃん。 自己紹介。 なんでもいいから喋って!」


後ろから陽の声が聞こえた。


何でもって何? 


おちゃらけた雰囲気じゃないのに、何でもいいの?


あたしが、何を言おうか迷っていると、憎ったらしい晃の声が聞こえてきた。


晃「おい、俺にはあんだけ言っといて、大勢に向かっては言えねぇのかよ」


…何言おうか迷ってるだけだよ!


あ~、どうにでもなれ!!


美樹「平川 美樹です。 えっと、あたしのことを認めたくない人もいると思う。 あたしはいきなり、認めてほしいなんて思ってない! できるなら、仲良くしてほしいとは思ってるけどね。 それと、あたしは守ってもらおうとも思ってない。 あたしは、みんなを守りたいと思ってる。 ま、仲間にはとことん尽くすタイプってこと。 …そういうことだから、これからよろしくね!!」


こんな、感じでいいかな?


下っ端「今の、感動しました!」


下っ端「これからよろしくお願いします!!」


下っ端「陣さんたちの紹介なのに、仲良くしないわけないじゃないですか!」


などなど、下っ端くんたちは嬉しいことを言ってくれた。


「じゃ、紹介もしたし、戻ろうか」


という、陽の声であたしたちは元の部屋に戻った。
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