紅炎と雷炎 ①


車は寮のすぐ目の前に停まってた。


ここの寮は学校から歩いて20分ぐらいかかるところにたっている。


てか、寮のくせに学校から遠いとか、どんだけだよ 笑っ


そんなことを思いながらも、あたしは喋ることが無いため、ずっと外の景色を見ていた。


陽「あ、美樹ちゃん」


不意に陽から話かけられた。


美樹「なに?」


陽「今日、2時間目からさぼれる? 大事な話があるんだ」


ミラー越しに見える陽の目はとても真剣だった。


美樹「大丈夫だよ」


陽「良かった。 じゃあ、1時間目がおわったら屋上に来てくれる?」


美樹「分かった。 でも、何で今からじゃだめなの?」


陽「1時間目を受ければ分かるよ」


美樹「ふ~ん……、分かった」


陽「ありがとね」


陽がお礼の言葉をあたしに発すると同時に車をとまった。


陽「あ、学校に着いたね」


美樹「ああ、運転手さん。 ありがとね」


下っ端「いえ。 お礼を言われることはしてないっす」


ホント、雷炎の下っ端くんは優しいな~。


あたしはもう一度、お礼を言って車を降りた。


そしたら陽があたしのほうを振り向いて、


陽「後はよろしく」


と言った。


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