紅炎と雷炎 ①
屋上について、ドアを開けたら、
晃「おせーぞ。 ブス!」
陽「あ、美樹ちゃん。 1時間目お疲れ様」
晃からバカにされ、陽に励まされた…?
美樹「…晃は相変わらずうるさいな。 ちょっとは陽みたいに気づかいができないのかよ」
あたしは、凄く小さい声で言った。
晃「んだと、ゴラァッ! 今、何かボソッと言っただろ!」
地獄耳…なのか?
でも、内容が聞こえてないのに、キレてるところはバカな晃っぽい。
美樹「あたし、今の今まで寝てたから少し、機嫌が悪いんだよ。 だから、早く話しを終わらせて寝たい訳。 OK?」
晃「OK。 じゃねぇよ! てか、寝てた!? 授業中ずっと!?」
おー、晃がノリツッコミしたよ。
晃「うん、そうだけど。 なんで?」
陽「美樹ちゃん、1時間目ってなんの授業だった?」
美樹「え? 数学だったけど、なんか問題でもあった?」
みんな驚いた顔をしている。
晃「だよな……。 寝てたってマジでそれ言ってんのか? お前」
美樹「マジだよ、大マジ。 なんなら、そこにいる慧や秀に聞いてみればいいじゃん! ねぇ、あたしぐっすりだったよね?」
慧「ああ。 熟睡してたな」
秀「何回、叩いても起きんかったもんな。 あれは焦ったわ~。 陽さんたちの約束に間に合わんかと思ったくらいやもん」
何か、ゴメン…
てか、叩いたのかよ!
美樹「ね? あたしが寝てたってこと、分かった?」
陽「うん、そうみたいだね。 …あ、秀と慧。 美樹ちゃんのことありがとね」
陽がそう笑いながら言うと、秀と慧が頭を思いきり下げ、
慧「いや、少し送れてしまって申し訳ありませんでした」
秀「そうです。 すみませんでした」
陽「そっか、じゃあ帰りは俺達が送ってくから、明日の朝。 またお願いね」
慧秀「「はい」」
二人は大きい返事をして、屋上から出ていった。