紅炎と雷炎 ①
美樹「そうだといいね…」
ボソッと呟いたあたしの声が聞こえたのか、翔が「ん?」と振り向いてきたので、あたしは「何でもない」と言っておいた。
翔はあたしの過去を知らないからな…。
美樹「ま、そんなのどうでもいいから。 翔、早く中に入ろ!」
翔「っ…、分かった……ははっ」
まだ、笑ってるし…。
美樹「もういいでしょ! 笑わないでよ。 急に恥ずかしくなってきたじゃん!」
翔「分かってるって……っ、は~。 笑った、笑った。 腹痛ぇじゃねぇか」
そう言いあたしを見た翔。
それはあたしのせいじゃないじゃん。
と、心の中で反論をしたが、相手にするを面倒になってきたあたしは、翔をスルーしてみんながいる部屋へと向かった。
後ろから、翔が「おい、待てよ~」なんていいながら小走りで追いかけてきてるが、それも無視して歩いた。
階段のせいか、距離のせいか分からないが、すぐ、あたしの隣にきた。