紅炎と雷炎 ①
翔「…え?」
美樹は、なんなんだ?
さっきから、俺を泣かしたいのか…?
でも、俺は顔を上げられない。
今、本当に泣きそうなんだ。
美樹「今、過去を暴露したんだ! 気持ちも爆発させちまえ!」
本当に…
やばい……
翔「……な、んで…っ?」
声が震える。
泣きたくなんて、ないのに…っ。
美樹「全部さらけだしちまえ! あたしや雷炎のみんなにとことん甘えろ! お前は甘えていいんだ。 感情を押し殺す必要はない」
翔「…っ、う…ふっ…。 どう、し、て…っ」
どうして、ほしかった言葉をそんな簡単に言ってくれるんだ。
美樹「泣きたい時は思い切り泣けばいい。 そのかわり泣いた後は思い切り笑うこと」
翔「…っ、う、…っ!」
泣いてるとこは、見られたくない…。
でも、声が…っ、
美樹「声、殺さなくてもいい」
美樹がそう言った瞬間、俺の中のなにかが切れた。
翔「っ、…う、うああぁぁぁあぁあっ!!!」
俺は泣き叫んだ。
見られたくない、でも止まってくれない。