抹茶モンブラン
2.上司の気遣い
新しい仕事に就いて、1ヶ月経った。
多少堤さんという個性に振り回されてはいたけど、私は淡々と仕事をしていた。
室内には私以外誰もいないっていう事も多かったし、わりと気楽だった
それでも、興味なのか心配なのか以前働いていた事務職員の間では私の事をアレコレ言う人がいた。
「堤さんと二人きりでどういう会話してるのかしら」
「あの変人堤だからね…いじめられてんじゃないの」
時々「大丈夫?」とか本気で聞いてくる人もいたけど、私は「大丈夫ですよ」とそっけなく答えていた。
実は、それほど大丈夫じゃない場面もあったんだけど、出来なきゃ困るという大村さんの言葉を思い出して何とかこなしていた。
堤さんに質問するっていうのが一番緊張する瞬間で、「プリントってどうすればいいんですか」とか聞いた日には呆れて5分くらい無視されている事もあって、下手な操作するのも怖いから、そのまま仕事が滞る事もあった。
もの言いは怖くないんだけど、忙しいところに声をかけると本当に不機嫌な顔をされる。
「あと5分待って」
「マニュアルでどうにもならなかったら、もう一回声かけて」
と言われる度に「使えない人だな」と言われている感じで、凹むんだけど、一度教わった事は忘れないようにメモしていた。
私の努力が多少伝わったのか分からないけど、堤さんの私へ対するトゲトゲしていた態度も少しずつ普通になっていった。
多少堤さんという個性に振り回されてはいたけど、私は淡々と仕事をしていた。
室内には私以外誰もいないっていう事も多かったし、わりと気楽だった
それでも、興味なのか心配なのか以前働いていた事務職員の間では私の事をアレコレ言う人がいた。
「堤さんと二人きりでどういう会話してるのかしら」
「あの変人堤だからね…いじめられてんじゃないの」
時々「大丈夫?」とか本気で聞いてくる人もいたけど、私は「大丈夫ですよ」とそっけなく答えていた。
実は、それほど大丈夫じゃない場面もあったんだけど、出来なきゃ困るという大村さんの言葉を思い出して何とかこなしていた。
堤さんに質問するっていうのが一番緊張する瞬間で、「プリントってどうすればいいんですか」とか聞いた日には呆れて5分くらい無視されている事もあって、下手な操作するのも怖いから、そのまま仕事が滞る事もあった。
もの言いは怖くないんだけど、忙しいところに声をかけると本当に不機嫌な顔をされる。
「あと5分待って」
「マニュアルでどうにもならなかったら、もう一回声かけて」
と言われる度に「使えない人だな」と言われている感じで、凹むんだけど、一度教わった事は忘れないようにメモしていた。
私の努力が多少伝わったのか分からないけど、堤さんの私へ対するトゲトゲしていた態度も少しずつ普通になっていった。