抹茶モンブラン
 愛しい鈴音の体。

 僕の腕の中で彼女は美しく乱れる。

 可愛く甘い彼女の声。

 肩に届くほどの少し色素の薄いセミロングヘアが汗で頬に張り付き、その姿が猛烈に色っぽい。

 その体を、僕は優しく……激しく……抱いた。

 疲れきっていると思っていた自分に、どこからこんなパワーが出てくるのか分からなかったけれど、とにかく僕にとって鈴音という存在は必要不可欠なんだという事がハッキリした。

 こんな魅力ある女性を手放した男は、どんなバカなんだろうと思う。
 過去の男を意識するのは自分も苦しいから、考えないようにしているんだけれど、時々本当にこの女性を手放した男が後悔してないだろうか……と思ってしまう。

 僕はいい人間じゃない。

 人間としたら、僕は全くいい人間とは言いがたい。
 それが分かっているけれど、この天使のような女性を僕は一生手放したくないと思ってしまう。
 あの世で地獄に落ちるとしても、彼女の背中にある白い羽の一本でも手にした状態で地の底に落ちて行きたいと思う。
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