抹茶モンブラン
3. アプローチ
鮎川さんが入って何週目かの、ある日のお昼時。
彼女とは何度か一緒にお昼を食べるようになった。
何となく若い女性同士仲良くね……っていう雰囲気があって、それに逆らえなかった。
お弁当を前に、私達は使っていない会議室で隣り合ってモクモクと食事をする。
鮎川さんもあまりおしゃべりな人ではないから、時々どうやって間を持たせようかと悩むんだけど、彼女はそれほど気にしていないようだ。
年齢は25歳で、光一さんとの関係は「親友の妹」だと言っていた。
「私の兄は鹿児島の大学で堤さんと知り合ったんです。事故で急に兄が亡くなってからは、何かと堤さんが兄の代わりみたいに力になってくれていて……。結局仕事まで彼のお世話になってしまいました」
そう言った鮎川さんの顔は、光一さんを一人の特別な男性として見ているような、照れたような……はにかんだものだった。
「ご両親は鹿児島に?」
私は流れでそんな質問をした。
すると、鮎川さんは少し悲しそうな表情をして、首を横に振った。
彼女とは何度か一緒にお昼を食べるようになった。
何となく若い女性同士仲良くね……っていう雰囲気があって、それに逆らえなかった。
お弁当を前に、私達は使っていない会議室で隣り合ってモクモクと食事をする。
鮎川さんもあまりおしゃべりな人ではないから、時々どうやって間を持たせようかと悩むんだけど、彼女はそれほど気にしていないようだ。
年齢は25歳で、光一さんとの関係は「親友の妹」だと言っていた。
「私の兄は鹿児島の大学で堤さんと知り合ったんです。事故で急に兄が亡くなってからは、何かと堤さんが兄の代わりみたいに力になってくれていて……。結局仕事まで彼のお世話になってしまいました」
そう言った鮎川さんの顔は、光一さんを一人の特別な男性として見ているような、照れたような……はにかんだものだった。
「ご両親は鹿児島に?」
私は流れでそんな質問をした。
すると、鮎川さんは少し悲しそうな表情をして、首を横に振った。