抹茶モンブラン
「仕事虫の子供っぽい内面を持った変人を愛しちゃったのね。その人に比べたら、確かに仕事とオフを分ける完璧な家庭人に向いた高田さんっていう人は鈴音が守ってあげたいと思わせる要素が少ないかもしれないわね」
「そう言われると、何か私かとんでもない人と付き合ってるみたいじゃない。彼は時々屈折するけど、すごくデリケートなだけ。あの人が優しい人だっていうのは、十分過ぎるほど分かっているもの……」
気が付くと、私は必死で光一さんを庇っていた。
見てもいない、会ってもいない久美に光一さんの何が分かるのよ……という反感もあった。
私のこの様子を見ていて、久美は声をたてて笑った。
「何がおかしいの!?」
笑う久美を見て、やっぱり悩み相談なんてうかつにするものじゃないなって、ちょっと後悔していた。
でも、久美は別に私の答えを笑ったわけではないようだった。
「ううん、ごめんね。誘導尋問してみたのよ……鈴音が誰を一番好きなのか導き出してやろうと思って。そしたら、見事に本音が浮き上がってきたから、素直な人だなあって思ってさ」
「…………」
誘導された。
私が光一さんを心の底から好きなんだというのが、久美の尋問によって導かれてしまった。
「そう言われると、何か私かとんでもない人と付き合ってるみたいじゃない。彼は時々屈折するけど、すごくデリケートなだけ。あの人が優しい人だっていうのは、十分過ぎるほど分かっているもの……」
気が付くと、私は必死で光一さんを庇っていた。
見てもいない、会ってもいない久美に光一さんの何が分かるのよ……という反感もあった。
私のこの様子を見ていて、久美は声をたてて笑った。
「何がおかしいの!?」
笑う久美を見て、やっぱり悩み相談なんてうかつにするものじゃないなって、ちょっと後悔していた。
でも、久美は別に私の答えを笑ったわけではないようだった。
「ううん、ごめんね。誘導尋問してみたのよ……鈴音が誰を一番好きなのか導き出してやろうと思って。そしたら、見事に本音が浮き上がってきたから、素直な人だなあって思ってさ」
「…………」
誘導された。
私が光一さんを心の底から好きなんだというのが、久美の尋問によって導かれてしまった。