抹茶モンブラン
4. 不器用な愛の交差点
衝撃的な事を聞き、お茶の入ったマグカップを持つ手が少し震えていた。
でも、こんなの鮎川さんには悟られたくない。
その場ではもちろん何も言えず、夜、遠慮もなく光一さんに直接電話をした。
出張から帰ってすぐに研究室に行ったらしい彼が電話に出た。
「もしもし、鈴音?」
久しぶりの電話だというのに、彼の声は落ち着いていた。
「光一さん、今日これから会えないかしら」
「これから?」
時計は9時をさしていて、私がこんな事を言い出したのはもちろん初めてだった。
「まだ職場にいるようだったら、私がそちらに行きます」
強い口調の私に、少し彼も驚いているのが分かった。
「いや、もう帰るところだから。これから鈴音のアパートに行くよ」
「……分かったわ。待ってます」
電話口では、これだけで精一杯だった。
これ以上何かを行ったら、何かすごい嫌なものが心にこみ上げてあふれ出してしまいそうで、怖くなった。
でも、こんなの鮎川さんには悟られたくない。
その場ではもちろん何も言えず、夜、遠慮もなく光一さんに直接電話をした。
出張から帰ってすぐに研究室に行ったらしい彼が電話に出た。
「もしもし、鈴音?」
久しぶりの電話だというのに、彼の声は落ち着いていた。
「光一さん、今日これから会えないかしら」
「これから?」
時計は9時をさしていて、私がこんな事を言い出したのはもちろん初めてだった。
「まだ職場にいるようだったら、私がそちらに行きます」
強い口調の私に、少し彼も驚いているのが分かった。
「いや、もう帰るところだから。これから鈴音のアパートに行くよ」
「……分かったわ。待ってます」
電話口では、これだけで精一杯だった。
これ以上何かを行ったら、何かすごい嫌なものが心にこみ上げてあふれ出してしまいそうで、怖くなった。