抹茶モンブラン
3.鈴音の決意(SIDE光一)
SIDE光一
紗枝の足はいっこうに動かない。
毎日リハビリさせているけれど、まだ立ち上がる事も出来ず、挫折して泣いてしまう彼女を励ます日々が続いている。
仕事帰りに鈴音と会っていた時間を、今はほとんど紗枝を励ます時間にあててしまっている。
もっと近い関係の親類がいれば、その人にお世話をお願いするのが普通の状態なんだろうけれど。
鹿児島の親類は皆それぞれに仕事を抱えていて、とてもかけつけられないと言われた。
鹿児島に紗枝を戻す事も考えたけど、無責任そうな親類に彼女を任せるのも不安で、結局は僕が彼女を看る事になった。
「もう私は死んだ方が良かったのかもしれない」
こんな絶望的な言葉を言う紗枝を強引にでも生きたいと思う方向にむけてやらなければと、僕は必死だった。
紗枝は親友、鮎川吉行の妹だ。
鮎川は僕なんかよりずっと頭も良く、精神的にも大人な人間で、一緒に会話をしていても常にどこかリードされている感じがして、僕は勝手に彼をライバルだと思っていた。
でも、一緒に飲んだ時、僕は鮎川に言った事がある。
「お前が羨ましい。才能もあって人徳もあって……本当に鮎川には何一つかなわないよ」
正直な気持ちだった。
紗枝の足はいっこうに動かない。
毎日リハビリさせているけれど、まだ立ち上がる事も出来ず、挫折して泣いてしまう彼女を励ます日々が続いている。
仕事帰りに鈴音と会っていた時間を、今はほとんど紗枝を励ます時間にあててしまっている。
もっと近い関係の親類がいれば、その人にお世話をお願いするのが普通の状態なんだろうけれど。
鹿児島の親類は皆それぞれに仕事を抱えていて、とてもかけつけられないと言われた。
鹿児島に紗枝を戻す事も考えたけど、無責任そうな親類に彼女を任せるのも不安で、結局は僕が彼女を看る事になった。
「もう私は死んだ方が良かったのかもしれない」
こんな絶望的な言葉を言う紗枝を強引にでも生きたいと思う方向にむけてやらなければと、僕は必死だった。
紗枝は親友、鮎川吉行の妹だ。
鮎川は僕なんかよりずっと頭も良く、精神的にも大人な人間で、一緒に会話をしていても常にどこかリードされている感じがして、僕は勝手に彼をライバルだと思っていた。
でも、一緒に飲んだ時、僕は鮎川に言った事がある。
「お前が羨ましい。才能もあって人徳もあって……本当に鮎川には何一つかなわないよ」
正直な気持ちだった。