抹茶モンブラン
SIDE鈴音

 光一さんから夜突然メールが入った。

“時間が許されるなら、今からアパートに行ってもいいかな?”

 私はその時外で買い物をしていたから、その事を素直に返信した。
 すると、さらにメールが返って来た。

“いつものコーヒーショップにいるから、来てもらえる?”
“分かったわ、今から行くわね”

 何だろう。

 私は携帯を閉じて考える。
 もしかして、私との別れを決定的にする何かを告げられるんだろうか。
 あの人が、そう簡単に紗枝さんを傷つけるような事が言えるはずがない……。

 私はこんな暗い気持ちで、待ち合わせのコーヒーショップに向かった。

 駅前にあるそのお店に近付く。

(ああ、ここで談笑した日々が遠い過去のようだわ)

 そう思って私は一度立ち止まって、遠くからその店の風景を眺めていた。
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