抹茶モンブラン
忙しい光一さんだけれど、以前のように可能な限り夜は泊まりに来てくれる。
「高田はちょっと鈴音と近くで話しすぎじゃないのか?」
夕食後のコーヒーを飲む私達。
彼はいつも通り角砂糖2個を入れ、ミルクをたっぷり。
「光一さんが気にしすぎだと思うけど。別に普通に会話してるだけなのに」
「いや、鈴音が鈍感なんだよ。油断も隙もない」
鈍感……って、光一さんに言われたくないわ。
そう思ったけど、これ以上不毛な会話をするのも嫌だから、私は黙って聞き流した。
この日は何だかすぐに眠くなってきて、私はコーヒーの食器を台所に入れてそのままベッドにパサッと横になった。
「鈴音、具合悪いの?」
ベッドサイドに寄ってきて、光一さんが私の顔を覗きこむ。
「ううん、眠いだけ」
「……」
瞳をキラキラさせた彼が優しく私の髪を撫でながら顔だけベッドにのせている。
そのまま黙っていると、彼は軽く“ちゅっ”と私の唇にキスをした。