抹茶モンブラン
 何度交わしても、甘くとけるような彼のキス。
 微かにさっき飲んだコーヒーの香りがして、私達は同じ空間の中でこれ以上無いとう程近い距離にいるのだと思った。

「光一さん……また一緒に過ごせて私、すごく幸せ」

 私がそう言うと、光一さんはクスッと笑った。

「鈴音が先に僕から離れようとしたんだろ?もう二度と許さないから……僕から逃れるなんて、絶対許さない」

 そう言って、彼は今度はもっと深いキスをしてきて、そのまま同じように何度も角度を変えて繰り返した。
 息をするのも苦しいぐらいの連続キス攻撃に、私は胸の高鳴りと呼吸できない苦しさで顔を背けようとした。でも、それを許さない彼が、さらに顔を抑えるように私の頬に手を寄せて、私の口の中まで押し入ってきた。
 もう頭は真っ白になって、ただ彼から送られる快感の波にのまれる。

「ああ……光一さん。愛してる……大好きよ」

 彼の首に腕をまわして、離れないように体をぴったりと彼の胸に押し付ける。

「僕は口に出来ないほどだから、言わない。それぐらい鈴音が大事だ」

 唇のキスから首筋へと移動させられ、私の体がどんどん感度を増す。
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