抹茶モンブラン
「……」
「指輪。一緒に決めなくてごめん、勝手に選んでしまったよ」

 これは……左手の薬指につけていいものなんだろうか。
 それを確認したくて私は彼の顔を見上げた。
 すると、光一さんは優しく頷いて「一生僕と一緒に生きて欲しい」と言った。

 二度目に現れた運命の人。
 本当かしら……本当にこの人は私を一生のパートナーにしてくれるのかしら。

 私は夢でも見ているような感覚になった。

「愛してるよ……鈴音」

 そう言って、光一さんは私を深く自分の胸に抱き入れた。

「……私も」

 目をつむって、彼の体温と心音を感じる。

「ありがとう、光一さん。ずっと一緒ね、一緒にいられるのね」
「うん。こんな僕だけど……よろしく」

 恥ずかしそうにそう言った光一さん。
 私達は周りに人が少ないのを確認して、甲板のようになった海ほたるの上でそっとキスを交わした。
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