抹茶モンブラン
基本的に結婚っていうのはおめでたいと思う。
そこから新しい二人の世界が続いているわけなんだけど、よほど価値観に差が出来たり相手に対する絶望が深くなければ簡単に離れたりはしないだろう。
私は残念ながら離れてしまったけれど、だからといって結婚が悪いものだとは思えなくて。
将来を誓って未来を供に歩く仲のいい夫婦がこの世に一組でも多く存在してほしいなという思いは強い。
久美と別れて、私は思いっきり衝動買いしてしまった洋服を両手にぶら下げてアパートに戻った。
普段あまりお金を使わないから、季節の変わり目ごとに洋服をまとめて買ってしまう癖は直らない。
社会人っていうのは、こういう外見にかけるお金がかかるからそんなに自分の自由になるお金っていうのは多くない事を、働き始めて実感している日々だ。
ふとアパートの駐車場を見たら、見慣れた堤さんの車が見えた。
「堤さん?」
不思議に思って運転席を覗くと、彼は運転席のリクライニングを思いっきり後ろに倒して、目を閉じていた。
起こしていいものか迷ったけど、暑さをしのぐ為に全開にされた窓の外から声をかけた。
「どうしたんですか?」
「……今日会う約束してなかったっけ?」
言われて、私は自分の記憶違いで久美の約束が堤さんとバッティングしていた事に今更気が付いた。
スケジュール帳には来週堤さんとは会う事になっていて、記入ミスから彼との約束をすっぽかした状態になってしまった。
そこから新しい二人の世界が続いているわけなんだけど、よほど価値観に差が出来たり相手に対する絶望が深くなければ簡単に離れたりはしないだろう。
私は残念ながら離れてしまったけれど、だからといって結婚が悪いものだとは思えなくて。
将来を誓って未来を供に歩く仲のいい夫婦がこの世に一組でも多く存在してほしいなという思いは強い。
久美と別れて、私は思いっきり衝動買いしてしまった洋服を両手にぶら下げてアパートに戻った。
普段あまりお金を使わないから、季節の変わり目ごとに洋服をまとめて買ってしまう癖は直らない。
社会人っていうのは、こういう外見にかけるお金がかかるからそんなに自分の自由になるお金っていうのは多くない事を、働き始めて実感している日々だ。
ふとアパートの駐車場を見たら、見慣れた堤さんの車が見えた。
「堤さん?」
不思議に思って運転席を覗くと、彼は運転席のリクライニングを思いっきり後ろに倒して、目を閉じていた。
起こしていいものか迷ったけど、暑さをしのぐ為に全開にされた窓の外から声をかけた。
「どうしたんですか?」
「……今日会う約束してなかったっけ?」
言われて、私は自分の記憶違いで久美の約束が堤さんとバッティングしていた事に今更気が付いた。
スケジュール帳には来週堤さんとは会う事になっていて、記入ミスから彼との約束をすっぽかした状態になってしまった。