イラつく恋


向こう端には、私の元カレがいる。

1年ほど前、私を躊躇なく振った奴が。



そんな奴の声が耳に入ってくる度、思わず舌打ちしたくなる。

それをやり過ごすために、目の前にあるグラスを開けた。


「先輩ー、何、親の仇でも討つような顔で酒飲んでんですかー」


正面に座る後輩が私を見ながら笑い、

「ほら、楽しく飲みましょうよ」

と言ってきたが、私はそれどころではない。
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