『ピュアに恋して』~秘密な関係~ドリーマー
若先生のそんな顔が見たいわけじゃない。


ただ、はっきりさせたかった。

私の立場を。



「……わかった。

悪かったな。今まで」


若先生の
潤んだ瞳が

私を見ていた。


じっと
悲しそうに。



「失礼します」



「待った。もう、触れない。

私生活も干渉しない。

そうすれば、今までどおり
このクリニックには
勤めてくれるだろ?」




「はい」


「良かった。

……お疲れ様」



香奈は頭を下げて院長室を出た。
< 103 / 152 >

この作品をシェア

pagetop