『ピュアに恋して』~秘密な関係~ドリーマー
香奈は恐る恐る覆った手を下へおろした。


そんな香奈など気にも止めないようで
春哉は庭の方をただ眺めていた。


なんだろう。

ゆったりした時間の流れ方。


 葉の擦れ合う音と風の音、
小鳥のさえずりそれだけしか
きこえない朝の貴重なひととき

もう少しすれば嫌でも
隣近所の声や生活音が聞こえてくる。


このほんの一時間くらいの貴重な時間が
香奈にとっては凄く大切な時間のように思えた。



 こんな時間って幸せだよなあ



春哉は香奈をちらっと横目で眺めた。

そして、ふっと笑みをもらした。






「じゃあ、ご馳走様でした」


「いえいえ、香奈ちゃんだったら大歓迎。いつでもおいで」
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