『ピュアに恋して』~秘密な関係~ドリーマー
⑤泣きそうな事態
あんなごたごたした朝を
迎えたあと、
若先生に
送ってもらって
家に帰ると
なんと!
家がなかった。
つまり、
跡形もなかった訳じゃない。
あった事には
あった。
瓦礫の残骸と
焼けた焦げ臭い匂い。
「なんなんだ?
これ」
車を下りて
若先生は
あんぐりと口を開けた。
「嘘でショーーーーーー!」
辺りに
香奈の
悲鳴に似た声が
虚しく響いた。