『ピュアに恋して』~秘密な関係~ドリーマー
⑧リングドーナツ
なんとなく
気分が落ち込んだまま

かといって
そんな特別な理由もないまま

香奈は
新しい家に帰ってきていた。


家の前にシルバーのレクサスが止まっていた。


夜なのに誰かが車を磨いているようだった。

近くに来て良く見ると大家の春哉さんだった。



「こんばんは」



「こんばんは。こんな夜に車磨きですか?」


「変?」

「えっと、少し。」


「だよねー。突然磨きたくなってさー。

俺って思いつくと行動に移すタイプだから。
そうだ。香奈ちゃん。

これからドライブしよっか」



「えっ?これから?」
< 76 / 152 >

この作品をシェア

pagetop