恋愛日記
「あ、うん」
家まで送ってくれた。
きっと何も考える必要が無かったら楽しい帰り道なんだろう
だけど、それを楽しむ雰囲気では無かった。
「じゃあ俺帰るから」
そう言って後ろを向いて歩きだす彼をみて
「あのさっ……」
引き止める。
足だけをとめて振り向かない彼に
「ありがとう」
そう言った。
考えて考えてやっと出た言葉はそれだけだった
それでも、彼は手を高く上げヒラヒラと私に向けてふった。
その仕草を見て、好きだと思った。
もう……隠せないと思った。