恋愛日記
そう心の中で唱えても全く無意味だった。
心にはいくらだって嘘がつけても
感情にまでは嘘つくことができないんだ。
いつの間にか1時間目が終わっていたのか
周りはガヤガヤとうるくなっていた。
隣の彼は、席を立ち友達と話している。
時折り見せる笑顔に私は少し安心した。
あの時の笑顔とは違うけれど、
彼が笑っている。
それだけで私は十分救われた。
クセみたいに彼を見ていると、ふと目が合って
慌てて逸らした。