恋愛日記


そう心の中で唱えても全く無意味だった。

心にはいくらだって嘘がつけても

感情にまでは嘘つくことができないんだ。

いつの間にか1時間目が終わっていたのか

周りはガヤガヤとうるくなっていた。

隣の彼は、席を立ち友達と話している。

時折り見せる笑顔に私は少し安心した。

あの時の笑顔とは違うけれど、

彼が笑っている。

それだけで私は十分救われた。

クセみたいに彼を見ていると、ふと目が合って

慌てて逸らした。


< 257 / 343 >

この作品をシェア

pagetop