恋愛日記


何もかもなくなってしまうんだ。

菜知と俺が過ごした日が。


分かっていたはずなのに、何も分かっていなかった。

とても怖かった。

人の記憶から消えていること

想像を絶することだった。


「こんなんじゃ駄目だ……っ」

そう思うのに、

手が震える。

「1番辛いのは菜知だ」

そうやって思うのに

「怖ぇよ……っ」

愛する人の記憶から消えさってしまったことに

心の底から震えた。


それからはもう、病院の中に入るのはやめた。
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