理想の男~Magic of Love~
確かに、昨日のことは全部ショックだった。

ウソが苦手だって言っていた藤がウソをついていたこと。

振られたと言っていた“彼女”に援助されてたこと。

それらのことは、全てショックだった。

「――ウソは苦手だって言ってたくせに…」

呟いたとたん、思い出したように胸が痛み出した。

それに苦しさもプラスされる。

あんな男は忘れる以外、他に方法がない。

だから、忘れたい。

頭を何度も横に振って、忘れようとした。

でも、
「――どうして忘れられないの…?」

呟いた後、頭を振るのをやめた。

藤のことを忘れたいのに、どうしても忘れることができない。
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