理想の男~Magic of Love~
なのに、藤を忘れることができない。

忘れることを許してくれない。

藤は私を離してくれない。

私は、どうすればいいの?

どうしたら、藤のことを忘れることができるの?

呼吸ができないくらいに、胸が苦しい。

締めつけられるように、胸が痛い。

もう忘れたいから、私を離して欲しい。

「――藤…!」

たまらなくなって、藤の名前を呼んだ。

名前を呼んだからって、どうにかなる訳じゃない。

でも、何故だかわからないけど名前を呼ばなきゃいけないと思った。
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