理想の男~Magic of Love~

「あなたが思ってるような女じゃないわ」

ピンポーン

チャイムの音で私は目を覚ました。

私、いつの間にか寝てたんだ…。

躰を起こして窓の方へと視線を向けた。

窓から入ってきた光は、すでにオレンジ色だった。

次に時計の方に視線を向けると、夕方の5時を過ぎていた。

ずいぶんと、寝ていたらしい。

ピンポーン

何だろう、こんな時間に。

そう思いながら玄関に行くと、
「はーい」

ガチャッと、ドアを開けた。

「愛莉!」

そこにいたのは、浩治だった。

「――何で?」

彼の姿に、私は呟くように言った。

私、距離を置きたいってはっきりと言ったのに。
< 104 / 270 >

この作品をシェア

pagetop