理想の男~Magic of Love~
だけど、今まで我慢していた分だけ口は勝手に動いた。

「私、浩治のことをウザいと思ってた。

重いと思ってた。

うっとうしいと思ってた」

「あ、愛莉…」

怒りに任せて口を動かしている私に、浩治が手を伸ばしてきた。

「さわらないで!

汚らわしい!」

私はその手を振り払った。

「愛莉、落ち着こうよ。

君はそんな女じゃないはずだ」

浩治が説得するように私に言う。

そんな女じゃない?

その言葉に、私は自分の躰が震えたのを感じた。

何を根拠にそう言ってるの?

本当に、浩治はわかっていない。
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