理想の男~Magic of Love~
浩治が黙っているのをいいことに、
「知らなかったんでしょ?

そんな風に思われてたなんて。

ずいぶん一緒にいるわりには、わかってなかったって」

私を話を続けた。

浩治は何も言わない。

これじゃあ、私はまるで…いつか見たコンビニのカップルみたいじゃない。

あんな風になりたくないって思ってたのに。

「もう帰って!」

そんな自分に耐えることができなくて、私は浩治に怒鳴った。

「早く帰って!

もう2度とこないで!」

続けて怒鳴った私に、それまでうつむいていた浩治の顔があがる。

「――そんな、愛莉…!」

中に入ろうとする浩治を外へ追い出した。

「次きたら警察呼ぶから!」

ガチャン!

叫ぶようにそう言った後、すぐにドアを閉めた。
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