理想の男~Magic of Love~
どうしよう…。

落ち着くことなんて、できなかった。

何だか、すごくドキドキする…。

目の前に理想の男がいるから?

私の理想に全てあった男の人がいるから?

だから、こんなにもドキドキしているの…?

そう思っていたら、
「寂しかったら、いつでも呼べ」

形のいい唇で、男が言った。

「えっ?」

意味がわからなくて聞き返した私に、男は私の手に何かを握らせた。

大きなその手は、小さな私の手をいとも簡単に包み込んだ。

その手が離れる。

不覚にも、その瞬間を名残惜しいと思ってしまった。

「俺の名前は藤」
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