理想の男~Magic of Love~
そのまま連行させられるように、藤にコンビニの外へと連れて行かれた。

「何をするのよ!?」

いきなりの出来事に、私は手を振り払うと藤に向かって怒鳴った。

「待ってたから逃がしたくないんだよ」

久しぶりに聞いたバリトンの声に、ズキッと私の胸が痛んだ。

「わざわざ時間帯ずらしてコンビニにきてたのは、俺に会いたくなかったからなのか?」

藤が聞いてきた。

「――そうよ…」

その質問に私が答えたら、藤は息を吐いた。

「あなたに会いたくなかったから、ずっと避けてたの」

私が理由を言ったら、
「蘭のことか?」

藤が言った。
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